ホームレスの方が...少し困っています

ある日外から謎のラジオ音

先週、道路に面したドアがあるリビングに主人と二人でいた時に、突然ラジオの音が鳴り始めました。それもまあまあ大きな音で。

怪奇現象?とも一瞬思いましたがそんなはずはなく、少し離れた窓を開けて確認してみると、大きなショッピングカートが見えて、さらに見てみるとドアの前にある段差にホームレスの方がたむろしていました

その方は私たちが住んでいるところの最寄りの駅前に毎日座って缶ビールを飲んでいるホームレスの方だったのです。それに唾吐いているような音も聞こえました....。パソコンで作業していた主人はその音で気が散って耐えられず、外に出て直接その方と話に行きました。

主人は「ここに留まってもいいけど、大きな音は出さないでくれ」と言いましたが、なにやらそのホームレスは酔っぱらっていた様でまともに口がきけず、訳の分からないことを叫び始めて主人が「警察を呼ぶ」というと、勝手にしろといった反応だったので通報することにしました。

前にも投稿しましたが、パリではホームレスがあふれていて最早日常の風景と化しています

pourlaterrepourlamour.hatenablog.com家がなければ身分証や社会保障等、フランスで暮らす権利すら本来なくなってしまっている人たちなので、仮にホームレスが何かしたとしてもフランスの法で裁けないために、警察も対応のしようがないのが現状です。実際に警察が来てくれましたが、署に連行できるはずもなくここから動いてくださいと促すことしかできません。

暫く言い合っていましたが、暫くすると警察もホームレスの方もいなくなっていました。

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主人が一人で話に行ったときは喧嘩にならないかとても不安でしたが、警察の力も借りて動いてくれたので一安心でした。

正解がわからない

2週間位経った頃でしょうか、突然またドアの向こう側からラジオが聞こえてきました。

あ、戻ってきたんだ...と直ぐに察し、主人には何されるか分からないからお願いだから外に出ないで!と念押し。

一度追い返したことを根に持っているかもしれないので少し怖かったのです。

様子を確認して、再度警察に通報しました。向かいますとの返答でしたが、20分ほど経っても中々来る様子がなかったので、飲み物を買いに行きたいと主人が外に出ました。

話しかけはせず、キツイ視線を浴びせて通り過ぎたそうですが、主人が飲み物を買いに行っている間にその方はいなくなっていました。

主人は、「ラジオをかけなければここにいてもいいと言ったのに」と呆れた様子。

 

私だったら留まられることでもう既に限界ですが、フランス人はこういったことに慣れているのかかなり寛容です。

正解の対応なんてないのかもしれませんが、まだ慣れずにいます。というか慣れていいことでもないと思いますが...色んなことを考えさせられる毎日です。

先日長年パリに住んでいる日本人の方にパリであった日本じゃあり得ないことを他にも沢山聞かされたのですが、日本の常識は世界の非常識とかいいますが、どの国も同じだと思います。

 

ホームレスの方は今でも頻繁に駅前に座り込んでいるのを見かけますが、またいつ戻ってくるか分かりません。正直戻ってきて欲しくはありません。

もちろん色んな背景があって最終的にそういった生活をせざるを得なくなってしまったのでしょうから、頑なに拒絶したりはしたくありませんが、難しいものです。