23年間の中のいちばん

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

まだ自分の親に比べたらそう長くは生きていませんが、

私の今までの23年間の中一番記憶に残っているのは、おそらく”今の旦那さんに出会った日”ではないでしょうか。

 

少し長いストーリーになってしまいますが、良かったらお読みください。

 

目的がなかった大学生活

実は私、1年の2学期に入る前に大学を辞めかけていました

そのお話はまた違う時に投稿しようとしようと思いますが、当時はバイトばかりしていました。親にお金も出してもらっているのに面目が立たなくなってしまうこともあり、最低限学校は通っていたことで進級はできていました。

ですが、就活が4年になる前に終わったのにもかかわらず、4年になってから出席せず落としてきた単位が20単位近く残っていました。

(年間に取得できる全単位を取っていれば、4年では2単位ほどしか残らないのでその10倍です笑)

卒業に専念した方が良いことは重々承知でしたが、本当は卒業後に就職せずワーホリに行く計画を立てていたが辞める決断をしていたこと、在学していた大学の生徒への負担が非常に酷で、学校外で留学するために休学を1年するだけで50万かかることから、海外で勉強することを諦めていたこともあって、時間がある夏休みを使って一人で海外に行こうと決めました。

4年の夏休みに東南アジア一人旅に行く

バイトを沢山していたにもかかわらず、友達と旅行ばかり行っていたので遠くに出かける予算はなく、短期間じゃ留学しても仕方がないと思ったので、一人で東南アジア1ヶ月旅に行くことにしました。下手に英会話スクールに通うよりもよっぽど英語が身につくと思っていた節もありましたし、男友達で東南アジア一人旅をしていた子がいて、その子に話を聞くと贅沢しなければお金は全然かからないと教えてくれました。

短期間ですが一人で台湾にボランティアにも行ったことがあったので、一人旅自体に全く抵抗はなく、むしろ楽しみで仕方ありませんでした。

 

バンコクから始まった東南アジア一人旅で1ヶ月でしたが、女の子一人で旅をしているのはやはりどちらかというと珍しい部類だったようで、どこに行っても声をかけられ、時には詐欺にも遭いました。笑

格安でバンコクの名所を一通り回ってくれて、お昼ご飯も奢ってくれたトゥクトゥクの運転手(もちろんタイ人)がツアーを運営している友人がいるということで、1ヶ月も全部宿やら何やら自分で決めるのも面倒だし少しくらいツアー組んでも良いかと思いましたが、値段の相場が分からず、でもよくしてくれたのでかなり断りづらく、泣きそうになりながら渋ると少し安くしてくれたのでそのままツアーを契約しました。

その内容はバンコクからアユタヤ⇨スコータイ⇨チェンマイまでの宿泊と移動のお金が全部込みのプランでした。

そして私が旦那さんと出会ったのは、このツアー中に組み込まれていたスコータイでの宿泊施設です。

 本気だと思わなかった

スコータイのゲストハウスに着いた夜、ラウンジで一人夜ご飯を食べながらゲストハウスのオーナーの子供たちとゲストハウスに住み着いてる(?)猫と一緒に遊んでいました。ラウンジだったのでゲストハウスの入り口と繋がっており、その夜に到着した人たちなどで人が結構行き来していました。私の印象では基本的に西欧人が複数人で旅行に来ている感じでした。(おそらく皆私のようにそこら辺のタイ人に勧められたバンコクで組んだツアー客ではありません笑。他の地域で東南アジアで旅をしているのも基本的に西欧人または南北アメリカ人でした)

あくまでも私は一人でいるし、海外だしアジア圏ではあるけどかなりアウェーな状態なので、挨拶も慣れない英語で人とすれ違っても軽く"Hello"と会釈する程度でした。

 

スコータイは旧市街と新市街があり、着いた日にオーナーに旧市街地を回ることを勧められ、次の日は朝一で旧市街地行きのバスに乗ろうと早起きして(確か朝7時過ぎくらいだったかな?遅く出るともうすでに炎天下になってしまって行く気も失せてしまうので...😂)部屋を出ました。  

宿でご飯を食べると街で適当に食べるよりはやはりお金がかかるので、宿での朝ご飯はスキップして足早にスタスタと宿を出て少し歩くと後ろから急に誰かに肩を叩かれました。

振り返るとガタイのいい白人の男の人が立っていて、若干息を切らしている模様。

(実は前日の晩、子供たちと遊んでいる私を見かけて、私は全く覚えていなかったけれど、彼は私と挨拶した人の一人でした。翌日に誘うために5時くらいからラウンジで待機してたそうです。最初は目もくれず颯爽とラウンジを通り過ぎ去る私を見かけて一瞬諦めかけたそうですが、後から走って追いかけたそうです。笑)

何やら私が旧市街地を回るとオーナーから聞いたらしく、スクーターを借りているので一緒に回らないかと誘ってくれました。

 バスのお金もかからないし、一人で回るより誰かと回った方が楽しいし、スクーターでスイスイ回ってくれるなんてありがたい!ラッキー!!と思って、急ではあったけれど喋り方や相手の表情から悪い人ではなさそうだなと思ったので、承諾しました。 

運命を感じるという経験

旧市街地までのスクーターではまだお互い何も知らないので、年齢や国籍の当てっこゲームをしてました。覚えていないけれどフランスではないどこかの国を言ったことは覚えています笑

そして当時私は21だったのですが、私の11歳上ということを知り、見た目が若々しすぎて当てられず(25~7くらいだと思いました)英語もほぼ喋れない私は取り敢えずニコニコして拙い英語で会話をしていました。

旧市街地にある遺跡はやはり全て仏教に関わりがあるので、自然と宗教などの話になりました。輪廻転生についてどう思うか?とか、旅の移動中に読もうと思って持ってきたスピリチュアルな体験をした人の本の話など、彼はその本のことは知りませんでしたが、(そもそもなぜその話をしたのかは覚えていませんが...)暫く喋っているとあることに気が付きました。

私の英語じゃ全く話が通じていない筈なのに、なぜか自然に会話ができていてスムーズに進む、とっても心地の良い今まで経験したことのない不思議な感覚、そしてこの人と私通じ合っているという感覚に陥りました。

もしかしたら私の良いように捉えていただけかもしれないし、私を気遣って興味のありそうな話題にその時彼が導いてくれてたのかもしれません。がふと頭でこれ、運命かもしれないって思ったんです。

数日彼とはタイで過ごしましたが、分かれる前に私は恋愛感情を抱いていました。が、彼の気持ちは私には不確かでしたし、何せ外国人と恋愛関係になったこともないのでもしかしたらただの遊び感覚だったのかもと勝手に考えて傷ついたりもしました。

お互いやることがあったので分かれましたが、彼は必ず連絡を取り続けるという約束をしてくれました。

そしてそれから私は慣れない英語で必死にメッセージを打ち、彼は約束通り本当に連絡を取り続けてくれた4ヶ月後、フランスで再会してお付き合いが始まり、現在は結婚して約半年が経ちます。

 

あの時ほど神秘的な感覚は今後も経験することがあるのか分かりませんが、間違いなく脳裏に強く焼き付き何よりも記憶に残っている瞬間です。

その人が目の前にいることが今も正直信じられない時があります。

運命を信じてみるのも悪くないかもしれませんね。 

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